はじめに
残念ながら、ここ何日かでは
記事が完成しないであろうことで、
せめて、何をやっているのか位は
御知らせします。
1、現在着手している作業
目下、『逸周書』を
読んでいまして、
これに書かれた小規模戦闘について
書こうと思っています。
折角覗いて下さった方々のために、
以下に、拙い図解だけでも
掲載致します。
かなりふざけた挿絵で
恐縮ですが、
相応の根拠で
説明するつもりですので、
御寛恕頂ければ幸いです。
さて、この書物、残念ながら、
現段階の私の知識では、
春秋時代以前のもの
ということ以外は
分かっていませんで、
恐縮ですが、
詳細な説明は
後回しにさせて頂きたく
思います。
内容からすれば、
政治や軍事の指南書かとは
思いますが、
【追記】
サイト制作者の意見だけでは
心もとないであろうことで、
例えば、ウィキペディアによれば、
「主に周の王の言行や制度などを
記した書籍。」
と、あります。
この方が実態に近いかしら。
とにかく、
政治や戦争について、
色々なことが書いてあり、
内容は色々と示唆に富むものの
何とも掴み所のない書物で、
そのうえ、
御決まりの
欠損部分もある、と来ます。
実は、読む前に
諸々の文献で
この書物の由来や概要等を
或る程度
まとめておきたかったのですが、
20年11月段階で、
サイト制作者がよく利用する
最寄りの国立大学の
附属図書館の一般利用に
かなり厳しい制限が掛かって
おりまして。
むこうも
大変な状況なのであろうと
想像します。
したがって、
大変恐縮ですが、
こういう作業を
後回しにさせて頂く旨、
御寛恕頂ければ幸いです。
【追記・了】
例えば、現段階では、
自分の目では、
『左伝』等から
この書物の内容の運用例が
確認出来ていないことで、
政策や軍事作戦の遂行が
この史料の内容に沿って
どの程度なされたのかは、
浅学にして
分かりかねます。
したがって、
サイト制作者としては、
差し当たって、
春秋時代以前に存在した
価値観のひとつ、程度の
解釈に止めておきます。
その意味では、
他の史料と比較することで、
色々と見えて来るものが
あることを
期待しています。
2、これを始めた理由
さて、今から2年弱前に
なりますか、
篠田耕一先生の
『三国志軍事ガイド』を読んだ折、
薛永蔚先生の『春秋時代的歩兵』の
伍のモデルの紹介に
目からウロコが落ちました。
具体的には、
ひとつの時代を調べる際、
その時代についての情報量が
少ない場合には、
その前後の時代の状況を
参考にするという
手法の有効さを、
実例を通じて
思い知った次第です。
こういうのは、
理屈は頭では分かっていても、
実例を見なければ
存外、着手に億劫になるもので。
で、サイト制作者も、
自らの手で
この時代の戦争マニュアルを
紐解いてみたくなりまして。
もう少し具体的には、
古代中国における兵士の
メンタリティや生態、
それらの時代ごとの変遷、
―というようなものに
興味が湧いてきた訳です。
むしろ、
前々からあった
興味に対して、
それを知る術が
僅かながら分かって来た、
と、言った方が、
実情に近いのかもしれません。
で、その先の展望として、
この種の書物を
いくつか読み、
調査対象の運用例を
首尾良く発見できれば
それで肉付けすることで、
この時代の戦争の
コンセンサスのようなものや、
後の戦争で標準化されたもの等が
自分なりに見えて来れば良いと
考えた次第です。
ですが、
現実的には、精々、
薛永蔚先生の御説を
要約する程度のことしか
出来ないかもしれませんが、
例え、そうであったとしても、
自分の目で観ることで、
多少なりとも
何かしらの知見を得ることも
出来るかもしれませんし、
そういうものを
読者の皆様と共有出来れば
望外の幸せでかしら、と、
思った次第です。
3、理想とは程遠い進捗状況
ところが、
違う時代の事物を調べるとなると、
今度は、対象となる時代の
全体的な状況が分からない、
という問題が出て来ます。
今年の夏に、
西周の後半から
春秋時代の前半についての
大掛かりなノートまとめを
やったのは、
まさにそのための作業です。
(長文で読みにくい記事につき
リンクは避けます。)
それこそ、「知識ゼロ」からの
西周・春秋時代でして、
何はともあれ、
或る程度の間違いはあろうが、
調べ物を行うに当たって、
足掛かりとなるための
何等かの教科書的なイメージが
欲しかった訳でして。
『周礼』の解読と重複して
混沌とした内容になったので、
その点は失敗したと思いますが、
記事としての公開に踏み切ったのは、
サイト制作者と同様、
例えば、『春秋左氏伝』を
読むに当たって、
この時代のことがよく分からない、
という方が、
サイト制作者が知り得る限りですら
少々いらっしゃったためです。
で、これをやったその足で、
めでたく春秋時代の話に突入か、
と、言えば、
今度は、皆様と約束しました
鎧の話もありまして。
一旦、隊列や斬り合いの話を
始めると、
しばらく鎧の話には
戻って来れませんで、
(漢文と図形の二正面作戦は
身が持ちませんで。)
鎧の記事を優先した次第です。
おわりに
今回は、さすがに
結論めいたものはありません。
言い訳をそのまま記事にして
恥かしい限りでして、
読者の皆様におかれましては、
せめて、多少なりとも、
モノの考え方の足しになればと
思う次第です。
【主要参考文献】
『逸周書』(維基文庫)
篠田耕一『三国志軍事ガイド』
薛永蔚『春秋時代的歩兵』
戸川芳郎監修『漢辞海』第4版